社会福祉法人難波福祉会 介護老人保健施設 雅秀苑

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高齢者虐待

2021年01月21日

高齢者虐待
介護現場で働く人に理解して欲しい


今回ご紹介します勉強会は、令和2年12月21日に開催しました高齢者虐待についてです。
みなさま、高齢者虐待防止法ってご存じでしょうか?
高齢者虐待防止法では、高齢者を介護している擁護者(家族等)による虐待だけではなく福祉、介護サービス業務の従事者による虐待の防止についても規定されています。
「介護サービス従事者が高齢者を虐待するなんて」と思うかもしれませんが、近年介護現場での虐待は増加傾向にあります。
介護サービス従事者とは介護士、看護師、ケアマネージャー、リハビリなど直接介護に携わる職員はもちろん、施設、居宅、訪問サービス事業所の経営者や管理者も対象となります。

では、なぜ高齢者虐待はおきてしまうのか、その多くは教育、知識、介護技術の問題が多く占めています。(厚生労働省調べ) 介護に従事する者が介護に関する正しい知識、技術を身に着けることが大切で、認知症を正しく理解し対応方法を学ぶことで回避できます。
では虐待の行為の種類をいくつかご紹介します。
・身体的虐待:高齢者の身体に外傷が生じる恐れのある暴行を加えること
・介護、世話の放棄、放任(ネグレクト):高齢者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置、高齢者を養護すべき職務上の義務を著しく怠ること
・心理的虐待:高齢者に対して暴言、拒否的な対応、心理的外傷を与える行動を行う事
・性的虐待:高齢者にわいせつな行為をする事、高齢者にわいせつな行為をさせること
・経済的虐待:高齢者の財産を不当に処分する事、高齢者から不当に財産上の利益を得ること

続きまして、身体拘束について少しご紹介します。『緊急やむを得ない場合』を除き
高齢者本人や他の入所者様の生命や身体を保護するために身体拘束でもって行動を抑制する行為は原則禁止されています。
ただし、『緊急やむを得ない場合』に3つの要件全てを満たし、極めて慎重な手続きを経て行う事とする。と決められています。
まずは、3つの要件についてお話します。
①切迫性:利用者本人や他の入居者等の生命、身体が危険にさらされる可能性が著しく高いこと
②非代替性:身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替えする介護方がないこと
③一時性:身体拘束その他の行動制限が一時的なものであること
以上、3つの要件を全て満たすことが条件になります。

次に、極めて慎重な手続きについてご紹介します。
『緊急やむを得ない場合』に該当するかどうかは、個人(または数名)で行わず施設全体で判断が行われるようにあらかじめルールや手続きを定めておくと共に、施設の身体拘束廃止委員会を設置し、具体的な事例について関係者が参加した会議で判断する。
このように、施設全体の問題としてとらえるように義務付けられています。
『緊急やむを得ない場合』に身体拘束を実施する目的、理由、時間、期間などを利用者本人様や家族様に対して十分に説明し理解を求めることが必要です。
また、常に観察、再検討し要件に該当しなくなった場合は直ちに解除する事となっています。
身体拘束を実施中は、その態様、時間、身心の状況、緊急やむを得なかった理由を詳細に記録する必要性があります。

では、身体拘束の具体的例をいくつかご紹介します。
①徘徊しないように車椅子や、ベッドに体幹や四肢をヒモ等で縛る。
②転落しないように、ベッドに体幹や四肢をヒモ等で縛る。
③自分で降りられないように、ベッド柵(サイドレール)で囲む。
④点滴、経管栄養等のチューブを抜かないように四肢をヒモ等で縛る。
⑤点滴、経管栄養等のチューブを抜かないようにまたは、皮膚をかきむしらないように手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。
⑥車椅子や、椅子からずれ落ちたり、立ち上がったりしないようにY字型拘束帯や腰ベルト、車椅子テーブルをつける。
⑦立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるような椅子を使用する。
⑧脱衣やオムツ外しを制限するために介護衣(つなぎ服)を着せる。
⑨他人の迷惑行為を防ぐために、ベッド等に体幹や四肢をヒモ等で縛る。
⑩行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。
⑪自分の意志で開けることのできない居室等に隔離する。
以上が身体拘束の具体的な例で、対象となる代表的な行為になります。

身体拘束の具体的例のほかに【スピーチロック】と言う言葉がありますが、皆様はご存じでしょうか?
【スピーチロック】とは、言葉による拘束と言われていて身体拘束にあたります。
例えば「動かないで!」「立たないで」「ちょっと待って」と一方的な強い言葉により制限、拘束する事です。
何気なく使う言葉でも言われた人にしてみたら、行動を抑制される言葉になるんです。
また、利用者様が使っているベッドに人の動きを感知する人感センサーが付いていることがあります。
このセンサーはお部屋のベッドに設置しているもので、お部屋の中はプライベートな空間になりますのでお部屋で過ごす利用者様の行動が全く分からなくなります。
行動を把握するために、ベッドから起き上がったり、ベッドの端に座ったりするとセンサーが感知して知らせてくれる仕組みになっています。
この、センサーもある意味拘束に該当しかねないので、ここ雅秀苑では、使うことがありますが、その必要性を委員会で話し合い撤去できる利用者様の検討を行っています。

高齢者虐待 高齢者虐待

最後に、身体拘束、高齢者虐待について学習しましたが、ここ雅秀苑ではいかなる理由があっても身体拘束、高齢者虐待は絶対に行われないように指導、教育しています。
今回の勉強会の内容は、矛盾しているように思えますが、身体拘束、高齢者虐待の実態を知り知識として学習し自己の判断基準として今後につなげるように開催しました。
何度も申し上げますが、ここ雅秀苑では身体拘束、高齢者虐待を禁止としていますので
利用者様には安全で、安心で、安楽な生活を提供しています。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。





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