社会福祉法人難波福祉会 介護老人保健施設 雅秀苑

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看取りの基本

2021年01月21日

看取りの基本

みなさまこんにちは、12月はとても勉強会が多くて毎日ブログ記事の更新作業に追われている ぼくです。
さて今回は、令和2年12月17日に看護師を講師に迎えまして看取りケアについて教えてもらいました。
みなさまも「看取りケア」って何?と思われているでしょうが
看取りケアとは
「近い将来死が避けられないとされた利用者様に対して、身体的苦痛や精神的苦痛を緩和、軽減するとともに人生の最後まで尊厳ある生活を支援する事」
簡単に言いますと「本人らしさを失わず、穏やかに最後の日を迎える」ことです。
看取りケアの中でも、ターミナルケア・ホスピス(緩和ケア)といくつかのケアがありまして
言葉だけならご存じの方もおられると思います。
ターミナルケアとは、終末医療(苦痛緩和・最後を看取る)
ホスピスとは、不治の病(ガン・エイズ等)の終末医療(苦痛緩和・最後を看取る)
また、看取りケアは、在宅や介護施設で行う身体的ケア
ターミナルやホスピスは、病院で行う医療的ケアとしています。

‶食べる„行為について少しお話します。
私たちは「生きるため」体の機能維持のために食事を摂ります。
終末期を迎える高齢者の方は、食欲が減少していきますが、それは体が自然にそうなってくるそうです。
次の段階へ体が以降すると、体内の水分を減らしていき体が楽に最後を迎えられるように
わざと脱水症状になっていきます。
そして、最後を迎える時期が近づくと、眠る時間が長くなり残りの生命をゆっくりと使い切って最後を迎えます。
このように、人の身体も死を迎え入れる準備をしていきます。

ここ雅秀苑では、看取りへと移行するための指標がありそれに準じて看取りの対応を実施しています。
では、雅秀苑の看取り指標を少しご紹介します。
~ステージ1~ 死の3か月から1か月の特徴
・興味がなくなる、眠る時間、まぶたを閉じる時間が長くなる
・会話をしなくなり、言葉でのコミュニケーションが重要ではなくなる
・食事を摂っても美味しいと思わなくなり食事量が低下する
<看取りケア>
・状態報告及びご家族様の意向を再確認し、面会の提案をする
・利用者様が好んで食べていた食べ物を持って来てもらい食べていただく
・会話よりスキンシップや沈黙にて見守る

~ステージ2~ 死の2週間から1週間前の特徴
・ほぼ眠っており、声をかけると開眼するが徐々に開眼することがなくなってくる
・たまに、混乱して妄想で亡くなったご家族様や誰かと会話をしていることがある
(一説には、死後の世界と交信できるのではないかと言われている)
<看取りケア>
・週1回程度の面会の提案や衣類の提案(本人にとって楽に過ごせる衣装)
・吸痰は無理に行わず、口腔ケアにて痰を除去する。(本人の意識がないと苦しくない)
・本人の意識がありムセこんでいる時は、吸痰を実施する。
・食事は無理に食べてもらわない。
・無理に食べることで身体に負担がかかり、腹水や浮腫、痰の量を増やす原因になる。
<このころに見られる身体の特徴>
血圧の低下や、脈拍が110/分以上になり発熱等による体温の変動、尿量の低下、尿色が濃くなる。発汗が多くなる

~ステージ3~ 死の数日から数時間前の特徴
・呼吸の間隔が長くなる(肩呼吸・下顎呼吸が見られる)
・意識レベルの低下や食事が摂れなくなり、死前喘鳴が聞かれる
 (呼吸をすると、喉の奥のほうでゴロゴロと音がする)
・目が半開きになり、その視野はほとんど見えていない
・バイタルサイン(脈拍・心拍数・血圧・体温・血中酸素濃度)の測定ができなくなる。
<看取りケア>
・ご家族様のご意向に合わせて、1日1回の面会の提案
・寝たきりになるため、その人の安楽な姿勢(ポジショニング)を設定する。
・褥瘡(とこずれ)ができないように体の向きを定期的に変える(体位変換)
・こまめに訪室し、状態の観察を行う。
以上が雅秀苑での看取りケアの指標になります。

<ここで豆知識>
・人間には、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚(皮膚感覚)と五感と呼ばれるものがございます。
人の最後まで生きている機能が聴覚と言われています。(死後数分は聞こえているみたいですよ)
ですので、人が亡くなった後でも話しかける事が大事だと言われています。
・死を迎えられた方のお顔が穏やかに幸せそうなお顔をしているのは、人が亡くなる直前に
苦しまないように“エンドルフィン„と言うモルヒネ(鎮痛薬)のような作用をもつホルモンが身体のなかで機能するために人は苦しまなく最後を迎える事ができる。

最後になりますが、私たちが日々接している方はご高齢の方ばかりです。
ご高齢の方に限らず生きていく中でいつ何が起こるかわかりませんし、明日が必ず訪れる保証は難しいと思います。
ですから、利用者様との1日1日を大切にし、毎日の状態観察を行い、いつもと違う感じがあれば、記録や報告することで情報の共有を行っています。
看取りケアを実施していくうえで大切なことだと思っていること、その人らしく最後を迎えるには、その人がどのような最後を迎えたいのか利用者様の思いや家族様のご意向を参考にして看取りケアを実施し、今その人が必要としていることは何だろうと日々考えています。
朝起きてカーテンを開けて朝日を浴びる、毎日の髭剃りや爪切り、大好きだった音楽を聴きながら過ごしていただく等の毎日の日課や、話すことが苦しい、目を中々開いてくれない方でも話しかけてコミュニケーションを実施する「今この人に何ができるのか?」「この人はどうしてほしいのか?」と常に自問自答を繰り返しと、職員一同考えています。
また、ご家族様との関わりも大切にし、定期的に利用者様の状態を報告し、最後を迎えるその時を一緒に過ごせてもらえるように空間の提供など行っています。
出来れば最後の日が訪れないほうが一番いいのですが必ず訪れます。
最後の日が雅秀苑で迎えられてよかったと思えるように頑張ります。
長文になりましたが、最後までお付き合いくださりありがとうございました。
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